呼吸が浅く、胸式呼吸になっていると言われた。胸式呼吸って悪いものなの?
横隔膜の動きが悪くて肋骨が高さが左右で違うと言われた。どうしたらいいの?
とお悩みではありませんか?
胸式呼吸と腹式呼吸についてさまざまな解説があります。呼吸法の指導も、指導者によってまちまちです。
腹式呼吸と胸式呼吸はどちらが良い・悪いというものではなく、それぞれに役割があります。
この記事では、一般的な解剖学の知見に基づいてそれぞれの呼吸法の違いと使い分けについて述べていきます。
目次
・まとめ
腹式呼吸と胸式呼吸のそれぞれの役割
腹式呼吸
何も意識しなくても息を吸うとお腹は膨らみ、息を吐くとお腹はへこみます。
これは横隔膜が上下するのに伴ってお腹の中の圧力が一定に保たれるように、もともと備わっている仕組みです。
お腹に手を当てながら行うと分かりやすいです。特別な訓練をしなくても誰にでもできる当たり前の呼吸です。
胸式呼吸
こちらも実は特別な方法ではありません。何も意識しなくても息を吸えば肋骨は広がり、息を吐けば肋骨は閉じていきます
横隔膜の上下に伴って肺が膨らんだり縮んだりするからです。肺が膨らむためのスペースを確保するために肋骨が動きます。
横隔膜と肺の関係を目に見える形で模型で説明したものがあります。「へーリングの模型」と言います。
ゴムの膜(横隔膜)を下にひっぱると、ビンのなかの圧力が変わる為、風船が自然と膨らみます。この風船が肺を表しています。
この模型だと、風船だけが伸び縮みするようですが、実際は周りの瓶(胸郭)も一緒になって動いています。
腹式呼吸と胸式呼吸の違い
よく「呼吸が浅くなっていくると胸式呼吸になる」と説明されることがあります。間違ってはいませんが事実の一側面にすぎません。
実際には、胸式呼吸と腹式呼吸は、切り分けることは不可能です。一回一回の呼吸で複合して行われています。
割合としては安静時で7:3ぐらいの割合です。激しく運動したり緊張したりすると、胸式呼吸の割合が高くなります。体がより多くの外気を取りこもうとするからです。
ですから「胸式呼吸になっているから呼吸が浅い」のではなく、「呼吸が浅くて酸素が足りないから胸式呼吸の割合が高くなっている」という方が事実に近いようです。
浅い呼吸を改善するには?
胸式呼吸と腹式呼吸の両方の違いを知り、自在に使い分けることが出来ればもっともよいと考えます。
・安静時は腹式呼吸でゆっくりと呼吸を行い、運動時に胸式呼吸の割合を高くする。
・緊張などで、呼吸が浅くなっていることを自覚できたら、たっぷりと深く呼吸しお腹まで大きく動かし意識的に腹式呼吸の割合を大きくする。
など、普段無意識で行う呼吸を、意識的に意図を持って行えるようになれば理想的です。
胸式呼吸を上手に活用する方法
ピラティスはエクササイズの最中は胸式呼吸の割合を高くするのが望ましいとされています。
呼吸は、普段無意識で行っているものなので、「腹式呼吸と胸式呼吸の割合を調整してください」といわれても、どうしていいのか分からないのが当然です。
ピラティスのエクササイズは、初めての方には難しすぎて正しく行えないことがあり得ます。
そういう時は「プレ・ピラティス」本格的なピラティスを行うための準備段階としてのエクササイズがあります。
その中にこの腹式呼吸と胸式呼吸の使い分け、複合の呼吸の方法などのレッスンもあります。
胸式呼吸では、お腹を薄くした状態で、外気を取り入れることで胸郭のふくらみを感じることができます。
しかし言葉で説明するのは簡単でも実際に習得するには、繰り返しの訓練が欠かせません。
呼吸の仕組みの理解と、実践で日常生活から浅い呼吸に悩まされることを減らしていくことができます。
まとめ
●腹式呼吸と胸式呼吸はそれぞれの役割があり、実際は複合して行われている
●ピラティスでは胸式呼吸を大切にしているが、初めての方が実際に行うことは難しい
●呼吸法を正しく理解し、実践することで日常の呼吸が変わる
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